webディレクターが「今」考えていること

webの世界を広く浅く経験するディレクターがビジネス・プライベート問わず「今」考えたこと、感じたことを記します。

「お、いいね」の一言が発想を広げる

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否定してしまうオジサン

部下でも後輩でも友だちでも「こんなこと考えているんだけどどうかな?」と相談を持ちかけられた時になんて返しているだろうか?

その発想をもとにより良いアイデアに昇華させていく人、現実的な課題を捉えてアドバイスする人、色々な返し方があると思う。

ラフな相談を持ちかけられた時に一番愚かなのはできない理由を説明してしまうことだと考えている。特に経験も知識も豊富なオジサンに多い。

あくまでも私個人の話しなので立場によって変わるのは承知しているが、私は「お、いいね、やろうやろう」と即答するようにしている。たとえその発想に甘いところがあってもだ。

発想の甘いところなんて進めていく内にケアしていけば良い。

何より自分で考えることによって考える力が付き、発想が広がる。1人で進められなくなれば周りを巻き込んで発想が広がるかもしれない。進めていくいくに幾重にも障壁があるだろうが、乗り越える度に愛着が生まれその熱意は顧客に伝わる。そもそも進めないのであれば本人にとってその程度であって、そんなもの成功はしないのだからリスクヘッジにもなる。

経験や知識が多いに越したことはこないが、その枠の中だけで考えてしまうオジサンにはなりたくない、他人は自分が思うよりもずっと可能性を秘めている。

【中小企業ECのリアル】数字は文字ではなくスライムとして捉える

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リピーターは?訪問者は?客単価は?

一般的な小売業の売上計算式は

「売上=客数×客単価」

であるが、ECとなると

「売上=訪問者数×購入率×客単価」

「売上=リピート注文数×リピート客単価+新規注文数×新規客単価」

が一般的に使われている。

このあたりについては下記の書籍が非常にわかりやすく書かれているのでおすすめしたい。

www.shoeisha.co.jp

1日の平均値が言える程度に記憶している人はどのくらいいるのだろうか?おそらくではあるがほとんどいない。ただし、いないことを嘆いているわけではなく、いなくても現在の売上があるわけだから伸び代があると喜ぶべきである。

日常の小さな変化を体で捉える

個人的な覚え方ではあるがEXCELに簡単な帳票を作って毎日打ち込んでいくのをおすすめしている。デジタルの世界なのでボタン1つで一括抽出ができるのになぜEXCELに打ち込むのか。それは体で覚えるためだ。

なぜこれらの数字を体で覚えることが重要かと言うと日常の小さな変化に気づくことができるからである。例えば訪問者数が500のサイトがある時600を超えればタイプする指が違和感を覚える。

その違和感の要因を仮説立てていくことが中小企業のECでは重要だ。

販促予算を投下した施策を行った際、効果測定をしている企業は多いだろう。しかし販促予算が限られていれば限られているほど当然何もない日の方が多い。つまりその何もない日に数字が動いていればユーザーか環境に何かしらの変化があったという可能性が高い。

細かい数字が苦手という人も多いかもしれないが、数字は文字と点で捉えるのではなく「毎日動いているスライムのようなもの」として捉えると見方が変わる。

「おっ!今日は調子良さそうだね!昨日高いご飯(販促施策)食べたからかな?」「あれ?昨日と特に変わったことはないのに今日は調子悪そうだね。あっ気温が下がっているからか(環境の変化)」

のようなイメージで私は考えている。

アナリストのように専門職種もある世界だが中小企業ではそのような人材は抱えられない、しかしそこまで専門性が高くなくても日常の小さな変化を感じられるようになればまだまだ事業は成長できると考えている。

飾らない日記で記録を残す習慣作り

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私の日記生活

私の日記生活私は毎日一言日記をつけている。

別に何かかっこいいことを書いているわけではなく「良いこと、悪いこと、感じたこと、思ったこと」を殴り書きで残している。

今日であれば「プラレール作ったー、駅チカの弁当屋は値段普通なのに量が多くて良い、注文してから手作りするから待つけど。」という感じで本当にどうでも良いことを書いている。

日によってはあいつマジむかつく的な内容も書くこともある、ただその場合は何に苛立ったかはしっかり書くようにはしている。

現在578日目、1年以上継続しているので昨年の今日何をしていた、何を考えていたのか記録が残っている。

私はDay Oneというアプリで記録しているので「昨年のエントリーを見てみましょう」と毎日通知してくれるので1年たった頃から日記が格段に楽しくなった。

dayoneapp.com

1年前の出来事は意外と覚えていない。

思い出すことによって後悔することもあるし、成長していないなと思うこともあるし、あらたな発想のヒントになることもある。

私が一番多いのは「今ならこういうふうにしたかなー、こうしていたらどうなっていたかな」と想像を膨らませることだろうか。

保育園の連絡帳

4月より息子が保育園に通い始めた。

先生と親の連絡帳には子供の家での様子と保育園での様子を書く欄がある。

正直言えばこれは中々めんどうである。休日であれば子供と過ごす時間は長いので書くことはたくさんある、しかし平日であれば朝と夜の数時間、何もない平和な一日もたくさんある。

書くないように困る日があったが、自分の日記と同じように飾らず書けばよいじゃないかと思ったら苦ではなくなった。

ちなみに今日の息子の連絡帳は「プラレールで遊びました、少し前まではすぐに壊してしまいましたがレールを慎重にまたいで壊さないように注意しているのを見ると成長を感じます。」と書いた。

飾らない日記と連絡帳、来年見返すのが楽しみである。

【中小企業ECのリアル】ごく限られたリソースを活用するために

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EC業界の人材不足

最近はもっぱら人材は売り手市場であり新卒採用も中途採用も苦しいようだ。大手企業でさえそうなのだから中小企業はさらに厳しい。

そしてEC業界はさらに拍車をかけるかのように人材がいない、そもそも出来上がって20年経っていないような業界であることに加え、急成長したため人が育っていない。

つまり中小企業×ECは人材確保が本当に厳しい組み合わせと言わざるをえない。

また一口にECと言っても物販の一つのチャネルとしてECに携わっている事業会社、ECに関するツールや制作に携わっている支援会社にわかれる。

ぶっちゃけた話、事業会社と支援会社では給料のベースが異なり、圧倒的に支援会社の方が高給である。

事業会社は卸小売の給料体系がベースになっているのが大きな要因の一つであると考えている、そして支援会社は言ってしまえば深い知識や高度なスキルを持った人が商品であるが故、高い商品価値を持った人にはお金を出せる。

事業会社は旧来の給与体系に支援会社ベースの給与体系を持ち込むと様々な軋轢を生むことになりかねない。

そのような事情もあり支援会社に人が集まり(とは言え奪い合っているのが現状)事業会社に人が集まりにくい。これが私の感じている事業会社のEC人材不足の大きな要因である。

今いる人員のリソースを最大化する

とはいえ嘆いていても人は来ない、そうなれば選択肢は一つ。今いる人員のリソースを最大化する他ない。

私が考えるリソース最大化はまず「やめたくならない環境作り」、そもそもやめてしまったらリソースはごっそり減ってしまう、増やすことを考えるよりも減らないことを考えた方が現実的である。

そして人がやめる時に一番多い理由が人間関係。

悲しい話ではあるが大人の世界にもイジメのようなことはある。何かが気に入らなくて強くあたり排除しようとする人間もいる。

ここで問題なのがイジメの被害者だけでなく加害者のリソースも減るということだ。心から嫌いな人が隣いると想像してみよう、気になって気になって仕方なく、気が散って集中できないだろう。

人間の集中力なんて嫌いな人間が近くにいればすぐに落ちてしまうのである。

仲良くやれとは言わない、ただ嫌いすぎて集中力が切れない関係を作る。

効率化であったりクォリティはその後で良い、まずは仕事に集中できる環境を作る。

そして上司はいつも話しかけやすい雰囲気を作る、部下が「今話しかけて大丈夫かな?後でにしたほうが良いかな」と考えたら目には見えない判断をさせている。

そしてそれは相談が終わるまでひたすら繰り返される。

もしあなたが忙しいと思っているのならニコニコしてみよう。部下が早く相談できれば問題は早く解決する、そして部下のリソースに余裕ができる、忙しいならそのリソースを使えば良い。

嫌わない人間関係、ニコニコ上司、それが中小企業ECのリソース最大化ではないかと考えている。

【中小企業ECのリアル】べき論を展開する前に清濁飲み込む

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べき論を振りかざす前にべき論を振りかざす前

にさて第二回目となる【中小企業ECのリアル】だが、前回は社内のコミュニケーションを大事にしようということを書いた。

二回目は「べき論」には気をつけようということを書いていこうと思う。

中途入社のEC担当者には大きく二種類ある。一つは事業会社からの転職、もう一つは支援会社からの転職である。ちなみに私は後者にあたる(その前は事業会社だったのである意味ハイブリッドではあるが笑)。

「べき論」とはコトバンクによると下記の通りである。

理想を実現しなければならないことなどを強く主張する論調。「そうするべき」「こうあるべき」という言い回しから。

 

kotobank.jp


特に支援会社から転職する人は気をつけた方が良い、支援会社はその分野でお金をもらっているため非常にハイレベルな知識を持っていることが多い。そして多くの企業を見てきた経験から正解に近い回答を持っている可能性も高い。

しかし多くの中小企業は「べき論」を実行することはリソースの問題、物流の問題、投資額の問題など大小様々な問題を抱えており難しい。むしろ問題がなければ「べき論」は実行されていて然るべきである。強引に推し進めると「言っていることは正しいがお前の言うことは聞きたくない」状態になってしまいゴールより遠ざかってしまう可能性すらある。

何も理想や「べき論」を捨てろと言っているわけではなく、理想の実現のために一度清濁飲み込もうと伝えたい。

飲み込んだ上でどこに問題を抱えているのか、何が消化できないのか、何が喉につかえているのかを特定し改善していくのが良いと考えている。人間は慣れる、本来は非効率なやり方だったとしても「運用」でカバーできてしまい、その手法に疑問を感じなくなることもできる。そこに疑問を感じることができるのが中途入社の社員である。

まずは自身の言葉が周りにすっと通る環境を整えよう。

支援会社の「べき論」について

ちなみに私個人としては支援会社は事業会社に「べき論」を唱え続けるべきだとも考えている。様々な理由で実行できないこともあるだろうがその理由に同意・納得してしまったらいつまでたっても理想は実現できない。

煙たがられる可能性も0ではないが、理想を伝え続け事業会社の担当者が「社内を説得しなければならない」と動かすまで支援会社は伝え続けるべきだとも考えている。

【中小企業ECのリアル】中途入社のEC担当者がまずやること

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なぜこれを書いたか

2018年4月よりとある中小企業に中途入社、これからECに力を入れていこうという会社だ。昨今ECの成長率は著しく伸びている、しかし業界として人材育成が追いついていない。

中途採用を行う企業、社内で人材育成を行う企業、運営自体を外注する企業、それぞれECに対しての最適解は異なる。幸い私は前者2つを経験しているので似た境遇の人や、これから似た境遇になっていくであろう人に何か伝えられればと考えている。

私自身のキャリア

ECに携わるようになり今年で8年目、内訳としては事業会社で7年、支援会社で1年。

新卒で包装用品の卸売・小売会社に入社、3年売り場販売員を勤めたのち、ECサイト立ち上げに伴い担当に。ほぼほぼノウハウもない状態からのスタート、商品力・良いお客様に恵まれたこともあり順調に成長。注文率は8%を超えるお化けサイトであった。(注文率は結果であって、高すぎるのは集客をやりきれていなかったことの裏返しといえる。)

2013年10月Yahooショッピングの販売ロイヤリティが0になる「Eコマース革命」が発表される、出店準備を急いだが出店できたのは2014年3月、正税増税の1ヶ月前というバッドタイミング。そして受注管理システムの導入も加わり、頭はパンク寸前。今思っても当時が一番タスクを抱えていた。

2017年3月の退職まで同社でECの売上を上げるために割と何でも(撮影、商品登録、分析、施策実施など)やっていた。

2017年4月~2018年3月の期間はEC支援側に転身、クライアント企業とわいわいやりながら前職では見られなかった角度でECを見る。ECでお金を頂いている企業なだけあって各分野に精通したプロフェッショナルが多く、色々つまみ食いしながら楽しく過ごす。

2018年4月より現職。ミッションは「ECの売上上げて」と非常にシンプルでやりがいがある。

現在の環境

ECやWEBのリテラシーは高くない、そして多くの事業会社がそうであるようにEC担当者は多忙で日々のお客様対応で忙しい。

ただしそれが悪いわけではなく、日々のお客様対応があるから現在の売上があり、出来ていないことが多いということはそれだけ伸び代があるということでもある。

ECの人にならないために
ECの売上を上げるために私が一番大切だと考えていることは「ECの人」にならないことだ。

EC担当として入社しておいて矛盾しているようだが、決してそうではない。ECと言ってもそれは取引形態の話でしかなく、商品が生産→納品→ピッキング→出荷というのは従来の通販や店舗販売と全く同じだ。多くの工程がありそこには多くの人が携わっている。

真面目な人になればなるほどECの仕事というのはパソコンの前に座っていることと同義になってしまうことが多い。特に中途採用の人は気をつけた方が良い。まずは「ECの人」にならないよう同僚とコミュニケーションを取るようにすることをおすすめする。

私は幸い入社3日目に社内のパーティがあったので顔を真赤にしながら参加者全員に挨拶して回った。人の名前を覚えるのが苦手なのを自覚しているので、自分が覚えるよりも「変なやつが入ってきた」と覚えてもらったほうが早い、そしてこういったことは日が経つと段々と行いにくくなる。

ECと言ってもお客様に商品を届ける線の中の点の一つであることを理解した上でコミュニケーションを取っていこう。ちなみに私は色んなチャネル(部署)と接していくので勝手に社内オムニチャネルと言っている。

18分×2をどう活用するか

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通勤電車の過ごし方

4月より転職し通勤は都心とは逆方向へ行くようになった。

これまでは渋谷まで通勤するのに電車に乗っているのは38分、とはいえ乗り換えが二回あったのでまとまった乗車時間は30分程度。

都心に向かうこともあり電車は混雑している、朝は比較的早めに家を出ていたので大体つり革のスペースは確保できていたが、本を読むにはやや窮屈なスペースしか確保できなかった。そのためスマホRSSリーダーで得た記事の選別を行っていた。

運良く座れたとしても日比谷を過ぎたあたりからなのでせいぜい10分、その10分も左右に座っている人に気を使いながらの時間になるのであまり集中はできない。本を読むのって意外に肩肘が動くので、ページをめくる時に気を使う。まして私はシャーペン片手に書き込みながら読むタイプなのでなおさらだ。帰りはそこそこできたのだが、朝の通勤でまともに読書できた記憶があまりない。

18分×2

現在は都心とは逆方向へ通勤しているので朝の電車はガラガラである。

両隣が空いているので幅を取る私の読書スタイルでも迷惑をかけることもない。そして帰りは都心方向へ向かうのでもちろん空いている。

片道18分、往復36分。

通勤中は1人だ、誰に気を使うこともなく自分の好きなように使える時間はとても貴重で贅沢なものである。しかし人は慣れるものである、今は貴重と感じていても日常になると怠惰に過ごしてしまう可能性がある。

この通勤時間は年間にすると264時間にもなる。この恵まれた通勤時間をどう有意義に使うかがこの一年間の成長につながると感じている。

まずは積んである本を読み進めていこう。