その先の顧客は見えているか
流行の技術は数あれど
WEBやECだけの世界ではないと思うが、MAやらCRMやらカスタマージャーニーやら流行の言葉、技術、概念というのは次から次へと出てくる。
そのどれもがとても魅力的に見え、導入したり視覚化することにより売上があがりそうに感じるかもしれない。
いや、実際に売上が上がった事例は数多くあるだろう。
だが自社で導入したからと言って事例通りに売上があがらず「やっぱ○○はまだ早かったね」と言っている方もいるのではないだろうか。
空ばかり見て土を見ず
こう言ってしまっては元も子もないが成功している企業には成功している理由がある。
・MA(マーケティングオートメーション)
ビッグデータやツール内に蓄積されたデータをもとに最適な顧客に最適なクリエイティブやインセンティブを表示するものが多いかと思う。しかしマーケティングオートメーションの言葉が表す通り、しっかりとマーケティング活動をやっている企業でないと効果を出すのは難しい。ツールだけの導入ではクリエイティブやインセンティブを表示することはできても、それが最適なものではないからだ。あくまでもマーケティングをやってきた土壌があった上でマーケターの手助けをするMAが存在する。
・CRM( カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)
ECであればステップメールなどで継続的に顧客と接点を持ち、顧客と良い関係を築く手段である。大切なのは1取引毎にしっかりと顧客満足度を満たすことである。みなさんも何かを買った後「もうこの店では絶対買わない!」と思った経験があるだろう。もうこの時点で顧客の心は離れているが、CRMの土俵へは乗っているのだ。心が離れた顧客にいくらアプローチしたところで戻っては来ない。CRMは顧客を1取引毎に満足させる土壌があって成り立つ。
・カスタマージャーニー
顧客の興味・行動を時系列ごとに可視化し各タッチポイントの顧客の考えを理解するものである。カスタマージャーニーマップを見ていて不思議なのがその多くは顧客が自社に初めてタッチするところからスタートし、コンバージョンポイントで終わっているところである。例えばチョコレートを買う場合、ただのチョコ好き・イライラしているから甘いものが食べたい、手作りチョコの材料、など色々な要因が考えられる。しかし端的に「チョコ売り場に来た→店内を一周した→レジに来た」とまとめられているものが多い。レジに来た後にも三者三様の行動があるというのに。
その先に顧客は見えているか
これらのツールや概念を否定したいわけではない。
むしろツールを提供している企業はもの高機能で手軽に扱える仕組みを作っていると感じている。
しかし、使う側が自社内ばかり見て、自社の外側にいる顧客を見ていないと導入しても結果は出ないと考えている。