サイトディレクションを行う時に大事にしている3つのこと
私がサイトディレクションを行う時に大事にしている3つのことを、自分が忘れないためにも書き残します。
1.感覚で話をせず数字で話をする。
WEBサイトの良いところは解析ツールを使用することにより、良いも悪いも結果がはっきりとあらわれるところです。
以前、大変お世話になった顧問がこう仰っていました。
「斉藤さんね、数字は話をするんだよ。」
初めは言っている意味が全く理解できませんでしたが、人間の経験から学ぶ力というのはすごいもので分析を繰り返し行なっていくうちに少しづつ数字が話をするという感覚がわかるようになってきました。
数字がなぜ上がったのか、なぜ下がったのかを直感的に捉えることができるようになります。
数字が「ぼくのここを見てよ!」と話しかけてきているのかなと感じることがあります。
人の感覚で物事を決めるというのを否定するつもりはありません。
前例がないことは数字で取ることが中々難しいからです。
しかし、数字で取ることができるところを取らずに感覚だけで話を進めるのは少々乱暴かなと感じることがあるのも事実です。
2.数字化することができないことは聞きに行く。
WEBサイトや製品に対するお客様や従業員の「不満」や「思い」は数字化することが非常に難しいです。
ではこの「不満」や「思い」をログとして持っているのは誰でしょう。
それは日頃お客様と接している現場です。
特に若手や立場の比較的低い方です。
「現場の声を聞こう!」と現場の代表者を集めて会議で意見を集めるというのは割りとよくあることではないでしょうか。
しかし、会議に出るのはある程度立場の高い方で、立場が高くなると事務仕事が多くなり、お客様と接する時間は短くなります。
そんな方から本当の現場の声を聞けるとは中々思えません。
本当に現場の声が聞きたいのであればディレクター自身が現場に足を運び、お客様と接している方に直接聞きましょう。
その時に注意しなければいけないのは「ヒアリング」や「○○調査」のような堅苦しい言葉を使わないようにすることです。
堅苦しい言葉を使うと「何か言わなければ」という思考に切り替わり本音が聞き出せません。
ざっくばらんに世間話をする体で良いのです。
仮にその日は世間話で終わってもコミュニケーションは取れています、繰り返すことでポロッと本当の現場の本音を聞けることでしょう。
3.メンバーの発案を1%でも実現する。
業界や慣習に染まっていない若いメンバーほど自由な発想ができます。
そしてその発想は時より商習慣やシステム的に実現不可能であったりします。
実現不可能な案が出された時「こういう理由でできない」と説明したらどうなるでしょうか。
発案者は出来ない理由を知ることができます、これは新たな知識の習得なのでメリットです。
しかし、伝えるべきタイミングはこの時ではありません。
しかも、メリット以上のデメリットがあります。
それは「知らないことがあるから、これについては口出ししないほうが良さそうだ」この思考に切り替わる可能性があることです。
この思考に一度切り替わると自分の知っている世界の中で実現可能な案を出すようになるので斬新なアイデアが出にくい環境へなります。
実現不可能な案が出た時、ディレクターは発案に対しどのように実現するかメンバーと一緒に悩みましょう。
そして1%でも良いからその案から何かを実行しましょう。
色々と書きましたが「数字」と「人の話」と「アイデア」のどれかに偏ることなく、バランスを保つことを私は心がけています。